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根管治療とは

根管治療について (少し難しい話です)

「小さな針のような道具で、口の中でゴソゴソずっと突っつかれている。前回も同じ事をしていたような?いったい繰り返し何をしているんだろう?」

画像の説明



そう思ったことがある方が結構いるかもしれません。
歯の神経の部分の治療、「根管治療」について説明します。

歯の神経の治療 ~ 根管治療

深い虫歯

虫歯が非常に深く進行してしまい、歯の中心部にある、
「歯の神経(図の赤色部)」にまで虫歯菌に侵されてしまうと、痛みが常にズキズキするようになってしまいます。

このような場合は歯の神経を除去する治療を行う必要が出てきます(早期であればドックベストセメントを使用することで神経を温存できる可能性はあります)。

この神経をとる治療のことを根管治療(もしくは抜髄処置)と呼びます。

歯の神経を除去することで、歯の痛みから解放されるわけですが、この根管治療というものは、 歯科治療技術の中で一番難しいといっても過言ではないものなのです。

歯の神経の治療はとっても複雑!

歯の神経は、歯の中心部から、歯の根の先を通って骨の中に入り、脳のほうまで繋がっています。神経をとる治療とは、この歯の中にある神経を全て除去することが理想的なのですが、歯の神経とは、この図の様に非常に複雑なのです!(もちろん単純な場合も多いですが)

根管

左図は、Somma et al, Int Endod J, 2009. より抜粋。
神経の根の先は図の様に、まさに木の根のように枝分かれしていることがあり、直径1ミリ以下の非常に細いものなので、我々歯科医師が直接除去できるものは主な神経だけで、細い枝は物理的に触ることが出来ません。

触れないところは、洗浄・消毒液で化学的に細菌と神経の残りを洗い流すことでしか対処が出来ません。

そのため先程「理想」と書きましたように、全ての神経をとることは出来ません。人間が行えることには限界があるのです。

実際の治療としては、可能な範囲の神経をしっかり除去し、細菌が入らないようにしてしっかり蓋することで、神経の傷が人間の自然回復力により治癒し、痛みなく噛めるようになれば根管治療が一旦終了という流れになるわけです。

根管治療をやり直す必要とは?

このようにして神経の治療は行われて無事痛みが取れるわけですが、神経を取ったはずの歯が数年後また痛んできてしまうことがあります。
さまざまな原因がありますが、先程書いたような神経の取り残しを餌として歯の中で細菌が増殖し、膿がたまって圧迫されることにより、硬いものを噛むと痛んだりしてきます。

病巣



歯の根の先に、黒い病巣がレントゲンでみえてきます。

こうなると、やり直しの根管治療である、「感染根管治療」を行う必要があります。ある論文では、神経を取った歯の40%近くもの多くのケースで再治療が必要だったというデータもあります。

感染根管治療について

以前に神経の治療をして蓋をした内部に膿がたまっているため、一度その蓋を全て除去していきます。そして内部の感染歯質の除去と洗浄を行うわけですが、一度目の治療で取れなかった神経が100%取れるかというと、前述しましたように当然無理です。

行えることは、歯の中の細菌を可能な限り減らすとともに、細菌が悪さを出来ないような環境づくりをすることだけです。その結果として、人間の自然回復力により病変が治ってくるという治療なのです。

つまり根管治療で大切なこととは

根管治療を成功させ、再発して時間もかかる再治療を行わないですむようにするために、出来る限り神経を除去し、歯の中の細菌を減らすために徹底的に洗浄することが大切な治療なのです。

「小さな針のような道具で、口の中でゴソゴソずっと突っつかれている。前回も同じ事をしていたような?いったい繰り返し何をしているんだろう?」と、患者さんからすると同じことの繰り返しに感じるかもしれませんが、

繊細で重要な「根管治療」という治療を行っているのです。

根管治療の流れ

大きな虫歯

 神経まで達した大きな虫歯があります。
症状としては、冷たいものがとてもしみたり、何もしなくてもズキズキ痛んだりします。黒いところが虫歯で、赤いところが神経を示します。

髄質形成

虫歯の部分を削除します。それとともに、神経の上部の大部分も削り取ります。
ここまで行って一度神経の炎症を抑える薬を入れてフタして一回目の診療を終えることもあります。その場合は次回続きを行います。

根管拡大

細い針状のリーマーやKファイルという手用の道具や、電動モーターを用いたニッケルチタン製ファイルという道具を用いて、直径1ミリ以下の細く枝分かれした複雑な神経の管を掃除していきます。
長さもコンマ数ミリ単位で計りながら注意深く除去していきます。

拡大後



主な根管がちょうど根の先まで、機械的な削除形成が終わりました。

根管洗浄

取り残しの神経や、目に見えない細菌を除去するため、NaOCl や EDTA といった薬液を用いて、化学的な洗浄を行います。超音波洗浄なども併せて行い、徹底的に根管内をキレイにします。

上記の③~⑤の工程を、根管内がキレイになって炎症が治まるまで繰り返します。

根充



キレイになった根管内をガッタパーチャというゴムのような薬をつめて、封鎖することにより細菌が再度繁殖する可能性のある空隙を埋めてしまいます。

治療終了



噛みあわせを作り直して、治療が終了となります。

簡単な歯で3~4回、
難しい歯では6~8回以上、治療に回数がかかることもあります。

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